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拡張現実を使って作業をしている人々のグループ

拡張現実 (AR) とは何か

最先端テクノロジの統合により、企業の競争力を強化できます。拡張現実 (AR) を使用すると、実際の世界とデジタルの世界を融合して、従業員へのトレーニングやガイダンスの向上を図ったり、問題をより迅速に解決したり、効率を最適化したりすることができます。生産性とコラボレーションを改善して、将来に備えることができます。


拡張現実を理解する

拡張現実 (AR) とは何でしょうか。拡張現実は、現実世界の環境をインタラクティブに拡張したものです。ホログラフィック テクノロジを使ったデジタル視覚要素、音声、その他の感覚を使って実現されています。AR には次の 3 つの機能が組み込まれています。デジタル世界と現実世界が組み合わされていること、やり取りがリアルタイムで行われること、仮想オブジェクトと現実オブジェクトが 3D で正確に認識されることです。

拡張現実を使うと、デジタル コンテンツを現実世界の作業環境にオーバーレイで表示できるため、必要な指示をより的確に作成して伝えることができるようになります。企業が AR の内容と活用方法を理解すれば、だれもがリモートで効率的なコラボレーションを通じて作業を行うことができるようになります。


AR、仮想現実、Mixed Reality、Extended Reality

近年、さまざまな種類の仮想現実が進化を遂げていますが、それぞれには微妙な違いがあります。次のようなデジタル リアリティの種類があります。

  • 拡張現実 (AR) — デジタル要素を現実世界のビューに追加して、ある程度のやり取りを行うことができます。
  • 仮想現実 (VR) — ユーザーが現実世界から隔離された、没入型エクスペリエンスです。通常は専用のヘッドセット デバイスとヘッドホンを利用します。
  • Mixed Reality (MR) — AR 要素と VR 要素を組み合わせて、デジタル オブジェクトと現実世界のやり取りができます。企業は、現実環境で固定された要素を設計できます。
  • Extended Reality (XR) — 前述の 3 つのタイプを含め、人間の感覚の向上を図るすべてのテクノロジを活用します。

すべてのテクノロジでは現実との境界が曖昧になっており、業務に適した用途を決定することが重要です。多くの企業にとって、通常は AR を使うと、最も容易に業務プロセスに統合できます。

拡張現実の種類

業務に必要な AR テクノロジの種類を決定するには、まず使用する AR の種類を決定する必要があります。拡張現実には、マーカーベースとマーカーレスの 2 種類があります。これらのいずれかのタイプの AR を選択すると、画像や情報を表示できる方法が決まります。

マーカーベースの AR は、画像認識を使用して作成され、AR デバイスやアプリケーションに既にプログラムされているオブジェクトを識別します。オブジェクトを参照点としてビューに配置すると、それを使って AR デバイスがカメラの位置と向きを判断します。これは通常、カメラをグレースケールに切り替え、マーカーを検出して、そのマーカーを情報バンク内の他のすべてのマーカーと比較して行います。一致する対象が見つかったら、そのデータを使って場所を算出し、AR 画像を適切な場所に配置します。

マーカーレス AR では、デバイスが焦点を合わせるポイントがないため、より複雑になります。このため、デバイスは表示されているアイテムを認識する必要があります。デバイスは、認識アルゴリズムを使用して、色やパターンなどの類似の特徴を探し、そのオブジェクトが何であるかを判断します。次に、時間、加速度計、GPS、コンパス情報を使用して、その向きを決め、カメラを使用して、現実世界の環境に対象の画像をオーバーレイします。

拡張現実の仕組み

拡張現実はすべてのユーザーに没入型エクスペリエンスを提供します。最も一般的な AR では、眼鏡やカメラ レンズを使用します。AR への関心の高まりにより、多くの企業がさまざまな種類のレンズやハードウェアを提供しています。AR には 5 つの重要なコンポーネントがあります。

  1. 人工知能 (AI)。ほとんどの拡張現実ソリューションでは人工知能 (AI) を使用しており、ユーザーは音声プロンプトを使ってアクションを行うことができます。AI は、AR アプリケーションの情報処理にも活用されています。
  2. AR ソフトウェア。AR へのアクセスに使用されるツールとアプリケーションです。独自の AR ソフトウェアを開発することも可能です。
  3. 処理。AR テクノロジが機能するための処理能力が必要になります。通常はデバイス内のオペレーティング システムが使われます。
  4. レンズ。コンテンツや画像を表示するレンズまたは画像プラットフォームが必要です。画面の品質が高いほど、画像はよりリアルに表示されます。
  5. センサー。AR システムは、環境に関するデータを処理して、現実の世界とデジタルの世界の位置を調整する必要があります。

従業員トレーニングへの AR の統合

AR を職場のプロセスと手順に追加すると、従業員のトレーニングに活用して、理解を高めることができます。AR トレーニングは、AR デバイスのソフトウェアを使って提供される研修エクスペリエンスであり、従業員が必要な専門スキルを習得できるようになります。適切なソフトウェアを使用すれば、このようなトレーニング エクスペリエンスをいつでもどこでも行うことができます。

AR を使うと、場所にかかわらず従業員へのサポートやガイダンスを提供でき、優れたコラボレーションと安全な作業環境を実現できます。これにより、従来の学習方法を強化して、より多くの情報を提供しながら、理解の向上を図ることができます。次のような方法で AR を活用できます。

  • パフォーマンス サポート
  • 学習モジュールとトレーニング モジュール
  • 新入社員のオンボード
  • オンデマンドのトレーニング
  • カスタマー サービス エクスペリエンス

多くの業界や業種では、次のようなビジネス プロセスで、AR を既に活用しています。

  • 小売。 AR は、従業員のオンボードやトレーニング セッションにも利用できます。たとえば、新入社員の販売トレーニング、売り場のツアー、小売現場での対応などに備えることができます。AR を使うと、顧客が購入前に製品をテストしたり、顧客の環境で製品の使用方法を学習したりすることもできます。これにより、エンゲージメントの向上を図ったり、実際の状況で役立つ情報を提供して顧客が問題を解決したりすることができます。
  • 製造。 テクノロジを利用すると、ステップバイステップの指示を提供できるため、トレーナーは練習中にフィードバックを提供して、学習効果を高めることができます。Mixed Reality を使用すると、従業員がオンザジョブで、両手を使って仕事をしながら、手順を学ぶことができます。
  • 医療。 医療従事者にとって、リスクを軽減しながら施術時の実践的な経験を積むことが非常に重要です。AR を使うと、医学知識や施術の実践について安全に学ぶことができます。
  • 防衛。 AR を実戦演習に統合すると、隊員が実践的な状況や戦況に応じて、時間、空間、戦力を適応できるようになります。
  • 自動車。 AR を活用すると、トレーニングを実施したり、スペシャリストが社内システムを使って、現在のモデルや将来のモデルを探索したりできるようになります。

業界固有の用途だけでなく、多くの業界では現在、技術的な問題の特定、追跡、解決に AR アプリを利用しています。また、AR は実際の手順以外の場合にも役立ちます。たとえば、ユーザーが電話で簡単に情報を入手できるようにするなど、広告、エンターテイメント、イベント ツール、マーケティングにも活用できます。


AR ツールをチームの業務で活用する

テクノロジをワークフローとプロセスに統合し、さらに拡張現実ソリューションを追加すると、ビジネス全体の生産性向上を図ることができます。データに基づくインサイトを活用して、効率を最大化できます。

Dynamics 365 Guides には AR が組み込まれており、問題をリアルタイムで解決できます。トレーニング ガイドをトレーニングや日々のプロセスで活用して、問題を迅速に解決できます。オンザジョブのガイダンスで業務の最適化を図ることができます。